めくらぶどうはわたくしであった

心身の主に心のほうの不調で学校を休んでしまうタイプの女の子っているよね、目の下に隈があって細くて長い黒髪の女の子。ああいう子のこと多分ずうっと昔から同情する素振りで見下している。体調不良なんて誰にだってあるのにたかだかそれが体に出たくらいで人にチヤホヤされたり、やりたくないことをやらないで済んでいるのはずるいって思う私の中の小学4年生は、ひとつ上の階段にぴょいっと飛び乗って19歳の私を見下して笑う。あっはは、あんたもダサくなったねぇと言う声は階段の奥行きのせいでガンガン脳ミソで反響する。

5日くらい前から食べては嘔吐の繰り返しでなにやら私はいつも酸っぱい匂いのする女。体言止めはいけすかないからやめたまえよ。けど心身の不調でなにかを放り出すわけにいかないし、そんなことしたらたちまち私は私である価値がなくなってしまうし、やることやらなかったら駄目な子認定されちゃうよねぇ。ということでなんとなくばたばたと動いて気をまぎらわせテいたわけ。
目の下に隈のあるタイプの女の子のことを、多分わたしはあんまり見たくない。けど頑張って視界に入れないようにすることがイコールものすごくエネルギーをつかって対象のことを意識していないといけないのと一緒で、見たくないからこそずっと見ていないといけないんだ。多分。気が滅入るなあ。

どうしてこんなこと書いてるのか分からない。物を書きたくなるのについて回る動機の数は多分いつだって複数だ。救われたいのにそれを他人に任せたらたちまち自意識に足を絡め取られて何かが折れる気がする。自分が嫌悪していた対象に成り下がるなんてそれこそ目も当てられないのではないか。

憧れで好きなわけじゃないけどあんまりにも格好良くて面白くて素敵で怖くて怖くて、片道2時間弱かけてだって彼の姿で満たされたいのでした。めくらぶどうはワタクシで虹はあの人だと分かった時にはもう新宿。酔った頬に風がちめたい!