彼誰時の骨

苛立ちが肺に切々と募る。あの人間がわからない。これっぽっちも覗けない。悲しみがそこここに積もる。本のページにも、ビイルの飲み口にも。ノルウェイの森で緑が言うじゃない、私があなたにしてあげれることが少しもないみたいで悲しいって。私がワタナベ…

踊らんかな

2月に知った、3月に近づき、4月に求めあった錯覚。5月にはもう薄れ合い、騙し合うってわけ。6月は知らない、7月は希望。 トレンドじゃないことをしている。50年近く前の同志に届きそうで届かない距離。 退行し、進行している。退行することが=進行である。…

愛は刺青

先週久しぶりに実家から連絡があって、なかなかに堪えた。あと一歩で泣くところだった。梅雨になるとこっちもなんとなく地元に似てくる。春も夏も秋も冬も、こっちのそれはわたしの知ってるそれじゃなくて、「地元にいない」ことをありありと感じられて安心…

めくらぶどうはわたくしであった

心身の主に心のほうの不調で学校を休んでしまうタイプの女の子っているよね、目の下に隈があって細くて長い黒髪の女の子。ああいう子のこと多分ずうっと昔から同情する素振りで見下している。体調不良なんて誰にだってあるのにたかだかそれが体に出たくらい…

午前3時

毎日毎日惰性でものを食べている気がする。お腹が空いていなくても食べてるし、それはお腹が鳴ったら恥ずかしいとかそんな下らない理由からなんだけど、きちんとお腹が空くというのは存外幸せなことなのかも知れない。飢えってあんなにつらいのに無ければ無…